@START

INTERVIEW 02

健康で豊かな社会のために
アプリで医療機関の
業務効率化

三井住友フィナンシャルグループ
傘下となったきっかけ
  • 永田もともとはSMBCベンチャーキャピタルに出資してもらったことが始まりです。この出会いがきっかけとなって、三井住友銀行の法人営業部を紹介していただきました。そこからビジネスの話を何度も重ねていくうちにプラスメディの認知が広がって、ビジネスマッチングとして病院を紹介して貰えるようになりました。そこからだんだんと三井住友銀行とのパートナー関係が出来上がってきましたね。

  • 渡邊それだけでも十分すごいことですよね。銀行を通じて「My hospital」の開拓ができる仕組みを作ったわけですから。
    ですが、最初はそういったパートナー関係で進んでいたものが、今回の買収という形に変わった一番の要因は何だと思いますか?

  • 永田一番大きかったのは、プラスメディの目指す方向性・ビジョンが、SMBCが実証実験を進めているサービスと全く一緒だったことだと思います。SMBCグループでは、何千万という口座をプラットフォームとして既に持っているので、このプラットフォーム上で様々なサービスの提供を行ったり、いろいろな企業のサービスを繋げていきたいという考えを持っていました。特に、そこで取り扱う情報の中でも、自分の病気というのは、人に言いづらく家族にさえ言いたくないこともある非常にセンシティブな情報です。そのような過去の病歴、お薬手帳や母子手帳の記録等、今までバラバラに保管されていた個人の情報を、銀行が管理して預かってくれるのであれば、安心・安全です。私たちとしても、情報を預けることで個人にとって良いことがある、そういうサービスをどんどん提供していきたいと考えているので、そういったところが一致しました。

  • 渡邊永田さん自身が難病を持っているがゆえに、患者の気持ちが分かるというのも大きなポイントですよね。なかなかそういった人は少ないですから、想いや人格も含めてマッチしたのでしょうね。

プラスメディの今後の展望
  • 渡邊素晴らしいですね。GLM以外に日本にはそれができるベンチャー企業はないので、本当に楽しみです。

    僕はいつも思うんですけど、小間さんはいい意味で妄想家ですよね。先のことよりもまずは足元をと言う方が多いですが、ことごとく自分の描いた未来に向かって進んでいますよね。なので、現実とのギャップがあった時でも、悲観的にならずにずっとワクワクして前を向いているので、本当に小間さんの代わりになれる人はいないなと思います。グローバル企業になっても、守りに入ったり、周りの人の意見に振り回されたりせずに、ずっと今のスタンスを続けて欲しいと思います。

  • 永田そうですね。これまでは資金力の問題もあってなかなか進められなかった事がたくさんあるので、事業に集中できることが純粋に嬉しいです。いろいろな病院や企業からたくさんの問い合わせをいただくようになり、病院の開拓がすごく進んでいます。これまでベンチャーでコツコツやるしかなかったビジネスの広がりが、もう夢ではなくストーリーとして見えてきていますね。

    永田 幹広
  • 渡邊事業の運営に集中できるというのは、すごく大きいですよね。永田さんは今後どんな社会を実現していきたいですか?

  • 永田すごくありきたりですけど、豊かになる事が一番だと考えています。豊かになることについては、いろいろな考え方がありますが、私が考える豊かさは健康です。今は病気になってしまった人のデータを蓄積していますが、病気が治った後のデータが集まることで初めてその人本来の正常な数値・健康な状態が分かるようになるので、”人が豊かになるためには、まずは人を健康にしなければならない”ということがひとつの大きなテーマです。 正直、健康については、私自身が病気になる12,3年前までは全く気にしたことがありませんでした。でも、病気になって初めて、生活の豊かさが失われていることを知りました。例えば、外食をしても、自分が食べて良いもの・悪いものが分からなかったり、昔は新幹線に乗って移動していたものが、今は車でないと移動ができなかったりします。そういうことが積み重なることによって、どんどん豊かさが失われていると感じています。 今病気で苦しんでいる人たちに、私たちのアプリを使ってもらうことで、病院に行くことが楽になる、そういう豊かさをつくっていきたいと考えています。

  • 渡邊なるほど、素晴らしい考えですね。それを実現するために、経営者として大事にしている価値観はありますか?

  • 永田大事にしているのは、「立場の弱い人を見る」ことです。例えば、政府はお金の流れや制度をつくってくれます。それはそれでとても重要なことですが、本来、私たちのように病気に苦しんでいる人の意見が一番重要で、本当は一番声を上げたい人が声を上げることができていないと感じています。そういう人たちの声を私たちのアプリで集めることができれば、きっと制度を変えられる、民意の力で制度は変えられるというのをつくってあげたいと思っています。私たちはずっと患者側、個人側の立場であり続けています。どんなにいい話があったとしても、それが個人の為にとって何かいいことがありますか?と常に問いかけています。その価値観だけは何があっても絶対に変わりません。

  • 渡邊今日は永田さんの想いの詰まった、とてもいいお話をたくさん聞くことができました。その想いを叶えるためにも、これからのさらなる成長に期待しています。本日はお忙しい中、ありがとうございました。

  • GUEST
    株式会社プラスメディ

    代表取締役社長兼CEO 永田 幹弘

    永田 幹弘

    1976年生まれ。通信会社数社を経験後、ソフトバンクに入社。主にY!BB立ち上げに参画。その後、関連企業の事業立上げ等を経験。NHNJapan(現LINE)経営企画室にて新規事業立上げ、子会社(メデュエーター代表、データホテル取締役)役員を歴任。動画配信、飲食事業O2O事業等立上げ、その後親会社と合併。主に新規事業の立上げを経験。その後、2016年にプラスメディを起業。自らが潰瘍性大腸炎という難病を抱えて病院通いをする中で様々な課題を感じたことから、個人の弱者の立場に立って問題解決をするために新しいサービスを創出している。

  • INTERVIEWER
    株式会社エースタート

    代表取締役CEO 渡邊 一正

    渡邊 一正

    京都大学卒業後、リクルートグループに入社し、主に人材紹介部門(現リクルート)でキャリアを積みながら、独学でベンチャーのIPO支援等を行う。 退職後、ネクストジャパンに経営参画し、CFOとして2004年に株式公開を実現。上場後、代表取締役社長に就任。2007年に退任し、ベンチャーへのコンサルティングや投資を行う。 2010年、ライドオンエクスプレスのCFOに就任。2013年に自身二度目の株式公開を経て、その後東証一部(現東証プライム市場)へ上場。 2015年、エースタートを設立、代表取締役 CEOに就任。同年より、Tech系ベンチャーファンドの運用を開始。2019年には、日本初の「宇宙ベンチャー特化型投資ファンド」をローンチ。起業家、上場企業社長、2度のIPOを牽引したCFO、投資家など、多彩な経験を併せ持つ事業家。