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INTERVIEW 01

自動車産業という
枠組みを超えた挑戦
新産業の創設を目指して

  • 株式会社プラスメディ

    代表取締役社長

    小間 祐康

  • 代表取締役CEO

    渡邊 一正

STORY

GLMは、京都大学発の産学ベンチャーとして 2010年4月に設立され、EVのコア技術の開発、車体の製造(Platform)、ボディカウルの製造(Exterior)を分けて行うことにより、EV製造のオープン化に成功。また、これらの作業を京都近辺に存在する様々なメーカーを中心とする「京都生産方式」と呼ばれる環境を整え、自らEVを製造するのみならず、世界に向けて「Made in Kyoto」ブランドのPlatformの外販も行っている。2017年に香港証券取引所のメインボードの上場企業と株式交換を実施し、上場企業のグループ会社となった。

GLMのサービス・創業への想い
  • 渡邊改めまして、まずは本当におめでとうございます。前例のないスキームを実現し、香港市場上場企業の経営者となられたわけですが、今日は是非、今に至るまでを振り返って色々とお話しできればと思います。

    早速ですが、まずはGLMを起業しようと思ったきっかけをお聞かせいただけますか。実は小間さんは以前に人材派遣の会社を経営されていて、その会社でも成功していた中で、なぜ、あえてGLMという会社をつくろうと考えたのか、どのような想いで起業されたのか教えていただけますか?

  • 小間私は以前の会社も、GLMという会社も、これからやろうとしていることも、決して違うことをしているとは思っていないんです。ずっと想いは一緒ですし、これまでずっとスタイルは変えずに経営者としてやってきたと思います。一言でそれを表現すると、「ブルースカイ」という考え方になります。

    そこには、環境企業として、今の良い環境を次の世代へ繋いでいきたいという考え方ももちろん含まれます。今、中国の環境が悪いと言われていますが、日本も高度成長期には同様に公害を発生させてきました。けれど、今ではこんなにも美しい国に変えることができた、このような先進国に生まれて得られた知見をもっともっと広げたい、そうした美しい豊かさが連綿と続く仕組みを作りたいという想いがあります。

    小間そしてもうひとつ、「ブルースカイ」には青天井としての意味があります。以前の会社ですごく感じたのが、自分の限界、見えない天井を勝手に作って、やる前からダメだと諦めている人がとても多いということです。でも実際には、今まで就業経験がないから大手のメーカーに就職できないと言っていた人が、我々の会社を通じて正社員になるなど自身の限界を超えていくことを見ていきました。そして、GLMにおいても自動車メーカーなんてできないと100人に聞けば100人が言うことを、トミーカイラZZの量産開始によって打ち破ることができました。そしてこれからも、あり得ないと思われるような高い目標を掲げ、自分たちが勝手に作った壁を壊していくということが我々の責任なんじゃないかなと思っています。

  • 渡邊なるほど。確かにそうですね。自ら設定してしまっている限界、壁を壊していく、ずっとそういったきっかけづくりをされてきたんですね。そういう意味において、根本的には同じことを続けているということなんですね。

エースタートとの出会い
小間 裕康 × 渡邊 一正
  • 渡邊実はGLMはエースタートの第1号の投資先でして、初めてお会いする以前から色々なところで話を聞いて共感していたので、最初の仕事は小間さんと是非ご一緒したいと思っていたんですよ。とはいえ、実際にお会いしてみないとどんな方なのか分からないので、共通の友人の経営者を通じて京都でお会いさせていただいたんですけど、本当にイメージ通りの人柄で、早々に出資を決めさせてもらいました。

  • 小間本当に早いジャッジで驚きました(笑)。通常では考えられないスピードで出資を決断していただいて、他のVCに説明してもそれはあり得ないでしょと言われて、本当に出資されるのか、当初は半分疑っていました(笑)。

  • 渡邊あの時は他のVCさんから連絡をもらいまして、こういうスタンスでやっていますということを説明してやっと信じてもらえましたね(笑)。僕自身が、小間さんと同じ事業家の立場ですから、「スピード」というものがいかに大切か、ということを身に染みて感じているので、そこはこれからも大事にしていきたいと思っています。

  • 小間渡邊さんは、実際に二度も上場を経験されているということが我々にとって本当に心強くて、他のVCの方とは違う観点から的確にアドバイスを頂けたのがすごくありがたかったです。ベンチャーとしてリソースが無いにもかかわらず、どうやって解決するのか、色々なアイデアをご指導いただいて、ハンズオンで入っていらっしゃった周りのVCの方々に対しても納得感、説得感を持って物事を進めることができました。

  • 渡邊役員会のオブザーバーの中で、実際に自分で上場を経験したというのは僕達だけだったので、伴走者として一緒にいろいろ考えさせてもらいました。実体験をもとに色々と提案させていただきましたが、他のVCの皆さんがそれを受け入れてくれたのがすごくありがたかったですね。我々にとっても初めての経験でしたので、いい機会をいただけて本当に感謝しています。